住友林業 ~積極的な海外事業の展開と海外駐在の仕事について~
●現在アメリカで担当されている業務についてお聞かせください。
現在、住友林業アメリカに所属しており、シアトルに2017年5月から駐在しております。弊社は、全米で5つの住宅会社(Bloomfield Homes、MainVue Homes、Gehan Homes、Edge Homes、Dan Ryan Builders)とパートナー(持ち株制)を組んでおり、その中でシアトルを中心に展開しているMainVue Homes社の取締役として、現地の社長などパートナー達と協議しながら住宅事業の拡大を目指しております。MainVue Homes社はシアトルとテキサス州ダラスの2箇所で住宅事業を展開しており、行き来しながら、取締役として全体を把握し、日本へ業務報告をしております。具体的には、予算作成や毎月の業績報告などが主な業務内容です。例えばですが、分譲地毎に販売ペースが異なってきますので、売れ行きの芳しくない分譲地近辺の市場・来場者分析などを行い、パートナーと協議をして改善策の検討を行っています。
●様々なアメリカの住宅会社とのパートナーシップ(持ち株制)を組んでいらっしゃいますが、どのように仕事を分担していらっしゃるのでしょうか。
現地の事情に一番精通しているのはパートナー達ですので、日々のオペレーションは基本任せる形となっておりますが、規模の大きな宅地の購入や新しい事業戦略を立案する際などは、住友林業の承諾を得ることが必要となりますので、協議をしながら進めています。
●海外での仕事の難しさ、またそれをどのように乗り越えられたか教えていただけますか?
私自身アメリカでの生活は長いですが、やはり言葉の壁は大きいと思います。パートナーとコミュニケーションをとるというのが仕事の醍醐味ではありますが、一方で難しい面でもあります。日本人特有のストレートに言わなくてもわかる会話とは違い、アメリカではビジネスライクな人が多い為、しっかり自分の意見を伝えなければいけない難しさがあります。そのため、明確に目的や意図などをしっかり伝えないといけません。普段心がけていることとしては、メール・電話・テレビ会議など便利な手段がある中ですが、やはりFace to Faceでないと伝わらないことはありますし、特にメールは感情が入らないため可能な限り顔を合わせてコミュニケーションをとるように心がけています。
●海外駐在に至るまでのキャリアパスを教えて下さい。
父の仕事の都合上、約13年間、学生時代までをシアトルで過ごし、University of Washingtonで建築・コンストラクションマネジメントを学びました。卒業後、日本に戻り、2004年に住友林業に技術職(設計)として就職し、住宅の支店に6年間設計担当として勤務しました。2010年からオーストラリアにあるHenley社の技術担当兼新プロジェクト立ち上げメンバーとして、オーストラリアに駐在し、現地の設計陣やデザイングループと協議しながらプロジェクトに携わりました。その後、2013年に弊社がBloomfield Homes社の持分50%を取得しパートナーシップを組んだばかりの時に、ダラスに異動し、現地経営陣と協議を行い、日々の活動を把握し日本へ報告していました。北米に来てからは、バックグラウンドである技術職というよりも、業務系の仕事を主に担当しています。
●技術系から業務系のお仕事に変更をされましたが、きっかけやどのようにしてキャリアチェンジをしたのでしょうか。
住友林業はシアトルで木材(原木)の取引などは昔から行っていたのですが、2003年から分譲住宅の販売を開始しました。そういった活動を、学生時代アメリカに住んでいる時に目の当たりにしており、いつかは海外での勤務をしてみたいと思い、希望を出していました。タイミング的に6年間の実務経験を経て、プロジェクトがフィットして選ばれました。また、住宅事業は、技術からかけ離れているわけではなく、現場に行くこともありますし、デザイングループとの折衝などもあるため、技術職の経験を活かせていると思います。
●海外展開に関して教えて下さい。
海外事業の中で、以前は、世界各国で行っている建材などの製造が主要でしたが、2003年の北米進出、2009年のオーストラリアHenley社の持分取得を皮切りに、海外における住宅・不動産部門の進出が増えています。北米や豪州に限らず、アジアも含め、ほぼ毎年のペースで買収をしており業績が伸びています。特に大きな市場の北米では、西海岸から東海岸までの主要都市にてパートナーシップを組むことによって、著しい市場成長の機会を確実に捉えることが出来ております。今後は市場が伸びているアジアなどにも注力していきます。
●今後のキャリアや仕事のやりがいについて教えて下さい。
今後も、技術というバックグラウンドを活かしながら、北米やオーストラリアに限らず、新しい展開を検討中のアジアなど、新しい場所での開発に携わりたいと思っています。また、既存のMainVue Homes社が更に大きくなるように頑張りたいです。
日本国内の仕事では、自分の設計した住宅が何十年と残ることは素晴らしいことだと思います。一方、海外は規模が大きく(何十億、何百億のプロジェクトもあります)、密にパートナーと接することが楽しく醍醐味であると感じています。自らの携わったプロジェクトが何十年も先に全く違う形となり、将来残っていくことがこの仕事のやりがいです。何もなかった野原に街並みが形成されていく様子を、土地の購入から始まり、造成をして、その上に建物や商業施設が建っていくのを段階を追って見ることが面白いです。
●入社のきっかけを教えて下さい。
もともと父も建築士で、日本で資格を取った後、仕事の都合でアメリカに渡り、小さいながらも図面を書いている父の姿がかっこいいと思っており、自然の流れで、大学で建築を専攻しました。大学での学びの中でも、自然で再生可能な木を使った設計が好きで、且つ公共や集合住宅というよりも、手触り感のあり肌感覚でできる住宅をやりたいと思ったところ、「木」と「住宅」という観点では、日本では住友林業しかありませんでした。当時はアメリカに残って就職も考えましたが、アメリカで住宅に携わろうとすると、設計事務所に就職しても最初はアシスタント的な仕事が多い為、すぐに設計担当としてお客様と接する機会が持てる技術職で住友林業に入社をしました。また、学生時代をアメリカで過ごし、日本での生活に憧れがあったのも日本での就職の後押しとなりました。
●社風を教えて下さい。
歴史が古く、仕事に対し真面目な会社です。また、オンとオフがしっかりしており、壁がなくオープンな環境で意見が言い合えます。アメリカに駐在に来たばかりの時は3名しか駐在員がいませんでしたが、今では5倍の15名に増えました。それぞれバックグラウンドが異なりますが(総務、法務、木建、技術系など)、いい意味で個性を持って、フランクに仕事をしています。
●入社後に発見した住友林業の魅力は何でしょうか。
入社当時は、海外の住宅事業は始まったばかりのタイミングでした。日本国内では木造住宅ではシェアNo1ですが、その位置におさまらずに、海外に進出し、新しいエリアで切り拓いていこうという姿勢に大きく感銘を受けました。その流れの中で仕事をしてみたいなと思いました。常に積極的に新しいことにチャレンジしていく会社です。
●留学生に期待したいことや就職活動におけるメッセージをお聞かせください。
ある方に言われて心がけていることですが、色々なことに興味を持って欲しいと思います。様々な失敗はありますが、失敗を恐れずにどんどん新しいことにチャレンジしていく中で、その人にしか身につけられないものや強みとなるバックボーンは絶対誰にでもあるはずです。そこを個性として磨いてアピールして欲しいですし、今後も活かしてほしいと思います。皆さまは留学生なので、当社の業務職で入ってくる国内生と比較すると、語学力と海外での経験は圧倒的アドバンテージがあります。基本的にはどこの国でも、パートナーシップを組んで現地の方々と協力しながら仕事をしているため、強みとなるコミュニケーション能力を活かし、自信を持って仕事に臨んでもらいたいです。
●最後に、学生への住友林業のアピールポイントを教えて下さい。
世界の様々な場所で海外進出を果たしているので、今まで以上に海外駐在の機会は増えていきます。住友林業は木材や国内の住宅というイメージが強いと思いますが、今後はそこだけでなく、海外で住宅や製造などの仕事ができる機会が増えますので、留学生の皆さまの強みである語学力やコミュニケーション能力を是非発揮していただけると思います。
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